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リトアニア植樹ツアーに参加して  (9月4日~11日)

2018/10/08

表示日付
平成30年9月
活動内容

  平成30年初秋、私は育桜会のリトアニア植樹ツアーに参加させて戴きました。所はバルト海の東に位置する国で、人口3百万の小さな国です。旧市街に足を踏み入れると空高く聳える教会の尖塔やひしめきあう石壁の建物が目の前に現れます。一瞬にして時を越え、時代は中世へ、昔と今がクロスするそんな魅力的な国でした。   リトアニアの人々は日本に対して親しみを懐いています。ドイツのポーランド侵攻により、第二次世界大戦が勃発し、大量の難民がリトアニアに押し寄せました。当時、杉原千畝という日本の外交官がこの国で領事の職にあり、外務省の訓令に反して大量のビザを独断で発行して6千人以上のユダヤ人の命を救ったことは、当地ではよく知られています。   その杉原領事が赴任されたカウナス市で、9月8日桜の木を植樹するセレモニーが開催されました。市内の中心を流れる川沿いに植えられた50本の桜は毎年春には市民の憩いの場になってくれればと思います。   今年、リトアニアは独立復帰して百周年に当たります。19世紀においては、リトアニアはロシアの圧政下にあり、母国語による出版物の発行が禁止され、文化施設や教育機関が閉鎖を余儀なくされました。20世紀に入って、日本がロシアと戦って、バルチック艦隊を撃破したことはリトアニア人に独立復帰への勇気と希望を与えたそうです。   祖国復帰を果たしたにもかかわらず、第二次大戦中はドイツの占領下にあり、戦後もソ連邦に編入されてしまいます。ようやく再度、独立復帰を果たしたのは東西冷戦終結後のことでした。   市街を散策していると、オープンカフェでは恋人同士がおしゃべりを楽しんでいる様子や家族団欒の風景が見受けられました。自由を謳歌しているようですが、年配の人たちは過去の暗い影を背負って生きておられるように感じました。長い年月、抑圧された時代を生きてきた人々にとっては、平和の配当を享受するよりも、油断をすれば、再び暗黒時代に戻ってしまうかもしれないという恐れを胸に抱えながら暮らしているように思いました。   今回の旅で、リトアニアという小国が長きに渡り、地図上から抹殺されていたにもかかわらず、民族の文化が幾世紀にもわたり今日まで継承されていることは驚きでした。中世のリトアニアは現在までも繋がっているのだという「連続性の意識」には日本の永き伝統と相通じるものを感じました。   桜満開のリトアニアを再び訪れてみたいと思いました。 (文責 久保明彦)

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開会前のダンスパフォーマンス
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カウナス市長ご挨拶
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松澤理事長挨拶
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参加者の一部
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和服の美女が横笛演奏
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感謝状

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